【詳しく解説】7階建てマンション建築費はいくら?費用を抑えるコツと利回りシミュレーション
7階建てマンションの建築費は、500坪の建物の場合、およそ6億450万円〜7億8,650万円が相場です。
本記事ではこの建築費の内訳や、間取りタイプ別の利回りシミュレーション、建築費削減のコツなどを紹介します。
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この記事の内容
1.【7階建てマンション】の建築費相場
マンションの建築費は、建物そのものにかかる「本体工事費」、本体以外に必要な「付帯工事費」、そして工事以外にかかる「諸費用」に分けられます。ここでは各費用の相場を解説します。
1-1.本体工事費の相場
本体工事費は建物そのものを建てるためにかかる費用で、主に基礎や駆体、内外装、設備などの工事に要する費用を指します。
本体工事費は建物の構造によって差が出ます。 7階建てマンションの構造は主に、「重量鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」の3種類があります。構造ごとの坪単価相場を以下にまとめました。
重量鉄骨造(S造) | 93万円/坪 |
---|---|
鉄筋コンクリート造(RC造) | 104万円/坪 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 121万円/坪 |
出典:国土交通省.”建築着工統計調査”.e-Stat.2024-01-31(参照2024-04-18)
※上記調査データから平均値を算出
本体工事費は、上記の坪単価を建物の面積にかけて算出されるのが一般的です。仮に500坪の建物で坪単価が100万円なら、本体工事費は500坪×100万円=5億円となります。
1-2.付帯工事と諸費用の相場
「付帯工事」や「諸費用」の相場は、本体工事費に対する割合によって算出できます。それぞれの工事の内容と、おおよその割合は以下のとおりです。
種類 | 内容 | 割合 |
---|---|---|
付帯工事費 | 本体工事費とは別にかかる工事費用。地盤改良工事や駐車場などの外構工事、給排水工事など。 | 本体工事費の約2割 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用。契約書の印紙代や不動産取得税、登録免許税といった各種税金、水道負担金、ローンの手数料、火災保険料など。 | 本体工事費の約1割 |
1-3.【7階建てマンション】建築費シミュレーション
ここでは、7階建てマンションの建築費を構造別にシミュレーションしてみます。500坪の建物の本体工事費に付帯工事費と諸費用を含めた建築費相場は以下のとおりです。
【計算方法】
●重量鉄骨造(坪単価:93万円)
本体工事費:4億6,500万円=93万円×500坪
付帯工事費:9,300万円=4億6,500万円×20%
諸費用:4,650万円=4億6,500万円×10%
建築費:6億450万円
●鉄筋コンクリート造(坪単価:104万円)
本体工事費:5億2,000万円=104万円×500坪
付帯工事費:1億400万円=5億2,000万円×20%
諸費用:5,200万円=5億2,000万円×10%
建築費:6億7,600万円
●鉄骨鉄筋コンクリート造(坪単価:121万円)
本体工事費:6億500万円=121万円×500坪
付帯工事費:1億2,100万円=6億500万円×20%
諸費用:6,050万円=6億500万円×10%
建築費:7億8,650万円
2.建築規制によるマンションの面積や高さの制限
マンションの面積や高さは、各種の建築規制によって制限されます。ここでは主要な建築規制を紹介します。
2-1.建ぺい率・容積率による面積制限
建ぺい率は、土地面積に対して建物の建築面積(建物を真上から見たときの面積)が占める割合です。用途地域によって30%から80%の間で制限されています。
建ぺい率60%の地域であれば、100坪の土地に建築面積60坪までのマンションを建築できます。さらに7階建てマンションを建てるとすると、60坪×7階=420坪が建物全体の面積の目安になるでしょう。
容積率は、同じく土地面積に対して建物の延床面積(全ての階の床面積を合計した面積)が占める割合です。用途地域によって50%から1300%の間で制限されています。
容積率500%の地域であれば、100坪の土地に延床面積500坪のマンションを建築できます。
2-2.高さに対する各種制限
マンションの1階あたりの高さはおおむね3m、つまり7階建ての高さはおよそ21mになります。場合によっては建物の高さに対する各種規制に抵触する恐れがあるため、建築には十分な注意が必要です。建物の高さに関する主な制限には以下のようなものがあります。
絶対高さ制限 | 前面道路の幅に影響される高さ制限。道路の反対側境界を起点に、一定の勾配で引いた斜線の内側に建築する。 |
---|---|
道路斜線制限 |
前面道路の幅に影響される高さ制限。道路の反対側境界を起点に、一定の勾配で引いた斜線の内側に建築する。 |
隣地斜線制限 |
隣地に影響する高さ制限。宅地では境界線上20メートルの高さを起点とし、そこから一定の勾配で引いた斜線の内側に建築する。 |
北側斜線制限 |
隣地斜線制限と同様の計測で、宅地の場合5メートルを起点とする制限。用途地域によって定められ、建物北側の高さを制限する。 |
日影規制 |
周辺の日照を確保するための規制。冬至の日を基準に、日影ができる範囲と時間を制限する。規制内容は各自治体によって定められている。 |
2-3.用途地域による制限
用途地域とは、市街化区域内において指定されたエリアごとに土地の使い方を定めたものです。この用途地域は13種類あり、前述の高さ制限のように建物のつくりに条件を設けている地域もあります。
例えば工業専用地域では、マンションの建築そのものを制限しています。また用途地域以外の都市計画区域外、市街化調整区域でも、マンションの建築は原則できないことになっています。
2-4.接道義務とセットバック
建物を建てる土地は、原則として建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければならないと定められています。これが接道義務です。
さらに、接している道路の幅が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルまで後退して建物を建てる「セットバック」が必要になるケースもあります。
2-5.自治体ごとの条例
自治体によっては、独自のマンション規制を設けているところもあります。代表的なのは東京23区や全国の一部政令指定都市で定められている「ワンルーム条例」です。
この条例では各住戸の最低面積や、ファミリー住戸の設置、管理人の設置などが定められており、マンション建築に大きく影響します。
3.【7階建てマンション】の間取り例と利回りシミュレーション
マンション経営における利回りは、建築費に対しどれくらいの利益が見込めるかを表す指標です。ここでは、2つの間取りタイプの利回りシミュレーションを紹介します。
3-1.単身者向けタイプ
単身者向けの間取りは1Kや1DKが主流です。1戸当たりがコンパクトなため、広さが必要なファミリータイプよりも多くの住戸数を確保できます。
<設定条件>
重量鉄骨造7階建て
建物面積500坪(約1,656平米)
1DK×55部屋
専有面積:30平米
家賃収入9万円/戸
<利回りシミュレーション>
建築費:6億450万円※
家賃収入:5,940万円=9万円×55戸×12ヶ月
経費:1,069万円=5,940万円×18%
利回り:約8%=(5,940万円-1,069万円)÷6億450万円
3-2.ファミリー向けタイプ
ファミリー向けの間取りは2LDKや3DKが主流です。1戸当たりが広めになるため、単身者向けに比べ住戸数は少なくなります。その反面、家賃を高めに設定できるため、家賃収入自体は大きく下がらないケースもあります。
<設定条件>
鉄筋コンクリート造7階建て
建物面積500坪(約1,656平米)
2LDK×33部屋
専有面積:50平米
家賃収入:15万円/戸
<利回りシミュレーション>
建築費:6億7,600万円※
家賃収入:5,940万円=15万円×33戸×12ヶ月
経費:1,069万円=5,940万円×18%
利回り:約7%=(5,940万円-1,069万円)÷6億7,600万円
※各建築費の内訳は「【7階建てマンション】の建築費をシミュレーション」をご一読ください。
4.【7階建てマンション】の建築費を抑えるコツ
前述の利回りシミュレーションからもわかるとおり、マンションの建築費を抑えることが利回りを高める一つの条件になります。ここからは、建築費を抑えるうえで効果的な3つのコツを紹介します。
4-1.設備のグレードを落とす
各住戸に設置する設備のグレードを落とすと、建築費を抑えられます。特にキッチンや浴室、トイレといった水回り設備は、1戸当たりのコストが高額なため、大きな費用削減効果が得られます。
グレードを落とすと入居者に敬遠されるのでは、と懸念する方もいるかもしれません。しかし実際には、賃貸は生涯住むものではないと捉え設備のグレードにこだわらない入居者も多く、入居率への影響は少ないと考えられます。
4-2.間取りをファミリー向けにする
マンションの建築費を抑えるには、間取りを面積の広いファミリー向けにして住戸数を減らす方法もあります。住戸数が減ればコストのかかる水回り設備の数も減り、建築費を削減できるのです。
住戸数が減っても、ファミリー向けなら家賃を高めに設定し、家賃収入が減らないように対策を取ることも可能です。
4-3.設計施工一貫方式で建てる
マンションの設計と施工を同一の企業内で行う「設計施工一貫方式」で建築すると、設計料を削減できます。
設計と施工を別々の企業に依頼する「設計施工分離方式」では、設計料として建築費の7〜10%がかかります。一方の設計施工一貫方式なら、設計料は1〜3%に抑えることが可能です。
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5.儲かる【7階建てマンション】建設のポイント
マンション経営でより多くの収益を生むには、空室対策が大きなポイントになります。そこで最後に空室対策に有効な建設のポイントを紹介します。
5-1.立地に合った間取りにする
マンションを建てる立地が、単身者向けとファミリー向けのどちらの間取りに適しているかを見極めることは、空室対策において大変重要です。それぞれの間取りに合った土地の特徴を以下に紹介します。
単身者向け |
駅から徒歩圏内 |
---|---|
ファミリー向け |
周囲に住宅が多い |
5-2.差別化できるポイントを作る
周囲の競合物件との差別化を図ることも、空室対策に有効な手段です。例えば、間取りではワークスペースを作る、設備では感染症対策として玄関先に手洗い場を設けることなどが考えられます。
5-3.シンプルなデザインにする
マンションの外観や内装のデザインをあまりにも個性的にしてしまうと、入居者に敬遠される恐れがあります。シンプルなデザインのほうが幅広い入居者にアピールでき、空室対策になります。
5-4.複数のハウスメーカーのプランを比較する
空室を回避するには、立地に合った間取りと差別化できるポイントを備え、幅広い層にアピールできるデザインの建物を提案してくれるハウスメーカーを探すことが重要です。
しかし、数多くのハウスメーカーに対して個別にプランの提案を依頼するのは手間や時間がかかります。
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マンションの建築費相場は建物の構造によって異なります。7階建て500坪のマンションの構造別建築費相場は以下のとおりです。
- 重量鉄骨造(S造):6億450万円
- 鉄筋コンクリート造(RC造):6億7,600万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):7億8,650万円
- 貸店舗
- 商業施設
- ビジネスホテル
- 高齢者施設
- 医療施設
建築費の詳しい内訳は「【7階建てマンション】建築費シミュレーション」をご一読ください。
マンション経営で儲けるには、空室対策をしっかり行うことが大切です。
- 立地に合った間取りにする
- 差別化できるポイントを作る
- シンプルなデザインにする
- 複数のハウスメーカーのプランを比較する
詳しくは「儲かる【7階建てマンション】建設のポイント」で解説しています。
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