【建築事例】実家が火事に…。逆境をバネに立ち上がる女性オーナー/東京都葛飾区
今回の物件は、東京都葛飾区にある1K、1DK、1LDK計3部屋の紹介です。
大家のAさん(仮名)は30代の女性。実家を火事で失ったことを機に、建て替えることになりました。自宅と賃貸を兼用にすることで、興味があった賃貸経営もはじめることができたそうですが、予定外の建設、そして若い女性だったからこその苦労もありました。どのように乗り越えたのか、お話を伺いました。
- 年代:30代
- 土地活用のきっかけ:火事で家が焼失し、建て替えの必要性が生じたことから
【物件情報】
- 場所:東京都葛飾区
- 土地面積:47坪
- 構造:木造
- 間取り:1K、1DK、1LDK
- 竣工年月:2023年
- 建築メーカー:三井ホーム
- 建築費:7,001万円~9,000万円
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建て直しが喫緊の課題に
ご実家か火事にあわれたと伺いました。大変だったと思いますがそれが土地活用のきっかけになったとか。
はい。火事で住んでいた家が全焼して、家を解体しなければいけませんでした。解体後、借地の土地を手放すか、建て替えをするかの2択でした。
以前から収益物件に興味があったこと、解体前の家は庭付き2階建ての古い二世帯住宅で、それと同じ規模だと1世帯で住むには広過ぎるように感じていたことから、賃貸兼用の物件を建てることに決めました。賃貸兼用にすれば自分たちの居住スペースはある程度小さくできるし、家賃収入も入るので、いいかなと。
まだ完成して間もないですね。完成物件の印象はいかがですか。
はい、完成は2023年12月なので間もないです。(インタビューは24年2月)
部屋は全部で3室あります。1階の101号室が1DK、102号室が1K、103号室がメゾネットの1DKです。101号室と102号室の上に私たちの自宅があります。
私自身が広い家が好きなので、賃貸に関しては間取りを大きく取ることと用途別の部屋に分けられるように仕切りのドアがつくようにリクエストしました。いくつかのハウスメーカーさんからは、「小さい部屋を複数造った方が利回りがいいですよ」と言われましたが、小さい部屋だと住みづらいから、広めの部屋にしたのがこだわりです。
最初は1階に一般的な部屋を3つ造る予定でしたが、そうすると2階の自宅部分が一般的な間取りよりも中途半端に広いよねって話になりました。
そんなとき、103号室をメゾネットにすればちょうどいいですよという提案をもらって、賃料も上乗せできるとのこともあり、私も賛成し、こういった物件になりました。
外観も素敵です。長年計画して大家さんになったわけではないので、お困りごとも多かったと思います。どうやって進めていったのでしょうか。
インターネットで「賃貸併用」で検索したときにHOME4Uが出てきました。物件を建てるのは初めての経験で、しかも急を要していたので、一度に複数のハウスメーカーに問合せを出来たことは本当によかったです。
問合せは上限まで行い、各ハウスメーカーのレビューや得意・不得意分野を調べて手帳にメモしていくこともしました。
一度だけ、住宅展示場に飛び込みで見学に行ったんですけど、担当してくれた人が新人さんで、賃貸兼用に詳しくなく、困らせてしまったことがありました。土地活用の知識のあるハウスメーカーの担当者を見つけられることは、HOME4Uを利用する利点だと思います。
最終的に3社から見積りをとって、その中から三井ホームさんに決めました。
最大の決め手は、やっぱりデザインです。高級感があるというか、好みに近い感じでした。 それに比べると、他社さんからのご提案は、デザインや機能性は賃貸のものとあまり差がなかったり、最低基準で設定されているように感じました。他にも、他社さんはオーナーの部屋を一般的に入居率が悪いとされる場所で提案されましたが、三井ホームさんはオーナーの住みやすさにこだわった部屋で設計するという違いがありました。
「うちはオーナーさんの住居をメインに考えて設計するので、賃貸優先の設計にはしません」とおっしゃっていましたが、実際に住んでみて、(オーダーメイドの)戸建てのような快適さがあると感じています。
ありきたりの間取りではなくて、キッチン、お風呂、洗面台にしっかり広さがあり、こういう間取りにしたいという希望やイメージに沿った部屋になっていますね。
身に染みてわかった給付金の大切さ
三井ホームさんとのやり取りで、何か印象的だったことはありますか。
印象的だったのは、本当にオーナーさんをメインで考えているところですね。 例えば私が、「予算の都合があるから、ここを削った方がいいか」と尋ねると、「自分の住む場所で、ここを削ると住みづらくなりますよ」とアドバイスをしてくれます。あと、担当者が頑張ってくれたのか、外観や内装が凝っている割に建築費は安いと感じました。
失敗、トラブルなどあればお聞かせください。
自宅部分は、収納部屋的なものを作ればよかったと思っています。
賃貸に関していえば、部屋の広さを優先して敷地内に目一杯に建てたので、特に1階部分の日当たりは自信がない所です。もうすこし建物を小さくすればよかったのかなと思う反面、平日の昼間は外出しているでしょうし、ドラム式洗濯乾燥機を使えば洗濯物を干すのにも問題ないので、日当りを気にしない人もいると思います。そう考えると、広さを重視した今の間取りで納得もできます。
突っ込んだ話になってしまいますが、予定外の建設だったということで、建設費用のやりくりに関しての苦労はなかったのでしょうか。
火災保険に入っていなかったので、厳しかったですね。だから貯金でうまくやりくりしながら、フルローンで建てました。
融資を受けられる銀行はハウスメーカーさんから紹介されました。三井ホームさんも、候補の残っていたもう1社も、同じ銀行の同じ担当者を紹介してくれました。借地だから担保にできないという特殊な事情もあって、その銀行しか貸してくれなかったという事情はあります。
だから余計に給付金は大切だと思います。国や地方自治体独自の建設関連の補助金はたくさんあるので、活用した方がいいと思います。中にはかかった費用よりも多い補助金が支払われるケースもあるので。
そういった情報もハウスメーカーさんに積極的に聞いた方がいいと思います。私はハウスメーカー選びの段階で、他社さんからそういった情報をたくさん聞いていたので、三井ホームさんにお願いするときは、自分から補助金について尋ねることができました。補助金が入る銀行が融資をしてくれる場合もあります。
管理会社は三井ホームエステートさんですか。
最初は他の管理会社を予定していたんです。三井ホームさんとの契約前に、担当者に三井ホームエステートさんを含めたいくつかの管理会社を紹介してもらっていました。
家賃や利回りのシミュレーションを出してもらって、その中で一番利回りが高い管理会社にお願いする予定だったのですが、完成間際になってその管理会社の担当者が代わった上に、新しい担当者が、「この金額では管理できない。家賃を下げていいですか?」と……。
でも、銀行は当初の予定の利回りで融資をしているから、問題になるじゃないですか。それを受けて、三井ホームさんと三井ホームエステートさんが話し合いをして、予定していた家賃で管理をすることを申し出てくれたんです。
ふたを開けてみれば、同じ三井グループなので物件の扱いに関する安心感もあるし、オーナー負担の原状回復工事や小規模修繕、住宅設備機器の修理交換に対する保証オプションもあったので、結果オーライですね。
防犯での苦労もある
入居さんのイメージは?
最初は全部屋、社会人の一人暮らしイメージしていました。でも、立地がいいこともあって、メゾネットの部屋は一人暮らしでも、カップル・ファミリー層でも、どちらも狙えるね、と。
三井ホームさんからのアドバイスでいえば、家賃をすこし高めにしておいたほうが入居者に対し不安はないと言われました。オーナーも同じ敷地に居住しているのでトラブル防止も兼ねた家賃設定を行いました。
防犯で意識をしたことはありますか。
防犯面は、当初はあまり意識していませんでしたが、むしろ担当者がこちら以上に意識していて、気付かされました。
賃貸のほうはオートロックです。防犯カメラは、今はまだないのですが、設置を検討しています。
賃貸の扉は当初、上部に飾りが無いものでした。でも、飾りがあった方がおしゃれなのと、すこしは侵入の妨げになると思って、飾りがあるデザインに変えてもらいました。(私はそこまで気が回らなかったのですが、)門扉の隙間から開錠されないように特注にしたそうです。
「女性が一人で行くと、説得力に欠けるのかな」
これから建てる人に向けてアドバイスをいただけますか。
家を建てるときに一番関わるのは、ハウスメーカーの営業担当者ですよね。成約前の面談で、合わないなって思った段階で「その人はやめておけ」って思います。私の場合、いろいろ大変なこともありましたが、担当者が味方になってくれたから、すごくよかったです。これが会社寄りの人で、利益を優先にされると、「あれを付けましょう。これも付けましょう」と不必要なオプションを押し売りされる可能性もあるけど、そういうのはなかったですね。
完成した今だから言えるのは、メモやボイスレコーダーで、話をしたことを記録したほうがいいということです。引き渡しのときに数ヵ所イメージと違うことがありました。担当者に確認をしてもらったら、ほとんど自分で了承をしていました。打合せをしたのが半年以上前になるので、決めたことを忘れちゃうんですよね。
あとは、若い女性が一人で行くと、いろいろなところで舐められがちになります。関わった年配の男性からは「黙って俺の言うことを聞いていればいい」「そんなことも知らないのか」といった雰囲気がすごく伝わってきました。
女性が一人で行くと、説得力に欠けるのかな……? 男性が一緒にいれば、そこまで強い口調で言われることはなかったのかなと。だから、兄弟とか親族とかで男の人がいれば、連れて行った方がいいと思います。出来る範囲もあると思いますが、担当者に相談することも手かなと思います。男性優位の風潮が残っている方も少なからずいらっしゃるので、時代とともに変わってほしいと強く思います。
最後に、オーナーになってよかったですか。
精神的に安心できます。入居率にもよりますが、家賃収入があるから、今後の生活もなんとかなるかなと思っています。
(編集後記)
Aさんへのインタビュー後、物件を見学しました。外観だけでなく、エントランスの石畳、照明、ポストといった細かい点にまで気が配られていて、エレガンスな雰囲気を感じ取ることができました。そして、若い女性が建てるからこそ生じる大変さに気付かされました。予定外、予想外のことが多く、完成までには苦労もあったと思いますが、Aさんが乗り越えてきた経験は、多くの大家さんの励ましになると思います。
※記事内の情報は全て取材当時のもの
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