この記事の執筆者
この記事の執筆者
藤井 健太郎
所属 株式会社UN 代表取締役
職業
祖父母の代からの三代目大家。
14棟200戸を自主管理と委託管理で運営し、自ら原状回復工事やリフォームも行う。
数年前より物件分析、市場分析、月次、年次分析などを取り入れた賃貸経営にシフトし、キャッシュフローが改善し現在に至る。
総務省が5年ごとに調べていている平成30年調査「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家の総数は848万9,000戸です。空き家率は13.6%で過去最高であり、貸家用の空き家は432万7,200戸であり、全国の空き家総数のうち半分を占めています。
大家業にとって空室対策は永遠のテーマです。空室が発生すると、リフォームや設備交換、広告宣伝費増額などの対策を優先して実施することが多いです。しかしながら、これらの対策には費用がかかるため、費用対効果や回収率を考慮することが重要となります。実は、空室対策を行う前に、必ず確認すべきポイントがあります。
今回は、特に内見時の対策に焦点を当ててお話しします。ぜひご自身の物件で実施されているかどうか、確認してみてください。
まずは、空室対策をやる前に確認してほしいことから見ていきましょう。これができていないといくら空室対策をしてもお部屋は決まりません。
まず初めに確認をしてほしいのが、空室募集されているかどうかの確認です。大手媒体のスーモやアットホーム、ホームズでご自身の物件を検索して、きちんと募集されているかを調べてください。これらのサイトで募集の確認ができなければ、お部屋探しをしている方が見ることができません。
鍵がどこにあるのかわからないと仲介店は物件を案内できません。とくに管理会社と仲介店が別の場合は鍵の場所を明確にしましょう。
土日の対応ができるのかも確認が必要です。対策としては、現地に案内用の鍵を入れたキーBOXを設置することをおすすめします。
大手媒体で募集はされていて鍵の場所も明確になっている場合、次に確認することは内見がされているかどうかです。
管理会社に委託している場合は、月に何回くらい内見されているのかを確認しましょう。もし、内見の回数が少ない場合やまったく内見がされていない場合は何か理由があるはずです。
ここまで確認できたら内見はできる状態です。つづいては、内見時の注意点です。お部屋探しをしている人の目線でご自身の物件や空室を見てみましょう。
・ゴミ置き場できちんとゴミが回収されているか、ゴミが散乱していないかを確認しましょう。ゴミ置き場は玄関入口に近いところに設置している場合が多く、意外と目に付きます。
・エントランスや集合ポストはチラシが落ちていないか、ゴミなどがないか、蜘蛛の巣や虫の死骸などがないかチェックしましょう。エントランス次第で物件の印象が変わります。
・通路などへの入居者の専有物もないかチェックしましょう。もしあれば、早急に撤去を依頼しましょう。徐々に私物が増えていってしまいます。
・部屋の通電を忘れないようにしましょう。部屋が明るい方が案内しやすく、とくに夜間や冬の時は部屋が暗くなり、せっかく内見してもらっても室内の確認ができません。
・照明の設置を忘れがちです。通電をしていても照明がないと部屋は暗いままです。
・排水溝の水はとくに夏場は2週間に一度は補充するようにしましょう。排水トラップ(トイレ、キッチン、洗面台、洗濯ばん)の水がなくなると虫が室内に侵入し、室内に死骸が落ちていることがあります。なかなか水の補充にいけない場合はサランラップで封をすると水の減りが軽減できます。
これらをチェックして、実施しておけば内見してもらう準備は完了です。
最後に、お部屋探しをする方が一番初めにするのは募集媒体で部屋を探すことです。募集媒体での注意事項もあるので確認してみましょう。
物件の外観写真が塗り替え前の古い写真のまま掲載されている場合があります。せっかく大規模修繕をしたのに写真が変わっていないともったいないですよね。
室内写真も同様です。せっかくリフォームをしたのに前の間取りや設備のままになっていないかをチェックしましょう。写真が変わっていない場合は掲載している仲介店に写真を持参かメールをして更新してもらうように依頼することで解決できます。
なかなか空室が決まらない場合は、もしかしたら空室対策を検討する前に確認することで空室を解消することができるかもしれません。
また、仲介店に内見をしてもらっているかどうかを確認していただき、内見の回数が少ない場合やされていない場合は、内見対策が必要となります。
そのためには、内見の準備を怠らないことが重要です。内見されないと空室は決まらないので、お部屋探しをしている方の目線を意識し、空室対策前の注意点を確認して対策をしてから、様々な空室対策を検討していきましょう。
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