この記事の執筆者
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渡邊 浩滋
所属 Knees bee税理士法人 代表
職業 税理士、司法書士
大学在学中に司法書士試験に合格。
大学卒業後総合商社に入社。法務部として契約管理、担保管理、債権回収などを担当。
退職後、税理士試験に合格。2011年12月独立開業。
税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動中。
賃貸住宅フェアなど講演・著書多数。
子どもが賃貸経営の適性がない。
「子どもに賃貸業を少しずつさせているけれども、適性があるのか不安。引き継がせるべきか?」と相談されることがあります。
詳しく聞くと「自分で考えて行動することができない」と言います。
そこで「お子さんに何をやらせていますか?」と質問すると「物件の見回りや掃除です」と言われます。たしかに清掃は賃貸業としては大切な業務ですが、賃貸業ないしは経営においての本質でしょうか?
私は違うと思います。物件の見回りをしても、掃除をさせても、賃貸経営の適性は磨かれません。
経営の本質は、「決断すること」です。
とくに若い人は、決断することが苦手のようです。サラリーマンをしていてもなかなか「決断する」機会に恵まれず、適性が磨かれないことがあります。
良くも悪くも「決断すること」は自分に跳ね返ってきます。責任も生じます。しかし、これは経営の楽しさや醍醐味でもあるのです。
自分がやらねばと思って、お子さんに「決断させること」をしてこなかった方が多いように思えます。人は誰しもすぐに決断できるようにはなりません。
真の事業承継をするためには、「経営とはどういうものか」を承継者に伝えることです。
その方法の一つとして、会社組織を作り、お子さんを役員に加えておくのです。役員にすることで、無理やりにでも賃貸経営に巻き込むのです。
役員(株式会社の場合には取締役)にすることで、会社法上の責任が生じます。「あなたは、役員として、会社の資産を守る義務がある」と目に見える形で現実化すれば、「自分が何とかしなければ」と自覚が生まれます。
すると、徐々に賃貸経営に興味が湧いてきます。
これは私の実体験でもあります。
私が実家の賃貸経営を引き継ぐときには、ネガティブな感情しかありませんでした。というのも、私は次男なのです。子どもの頃から、長男が賃貸経営を引き継ぐものと思っていたため、賃貸経営には一切興味がありませんでした。
しかし、長男が全く別の仕事をしていることもあり、私が引き継ぐことになったものの、前向きにはなれなかったのです。
「なんで私が、親の借金を抱えなければならないのか」
「この先この賃貸経営が良くなることはあるのか」
などと頭の中をぐるぐると巡り、夜も眠れない日々が続きました。
しかし、あるときに腹をくくったのです。「私が代表者となってやる!」と。
すると、賃貸経営が楽しくなったのです。責任は重いですが、自分でやったことが喜ばれることがやり甲斐に感じられるようになったのです。
これはサラリーマンでは味わえない、経営の醍醐味のような気がします。
こういった経験を子どもにさせるべきなのです。
ですから、役員になって興味を持てば、どんどん賃貸経営の現場に参加させて欲しいのです。現場とは、管理のための見回りや清掃だけではなく、賃貸経営の判断が迫られる現場です。
経営は、一つ一つ、自分の責任で判断することです。
判断一つで、結果が変わってきます。
それは、非常にシビアな部分でもあれば、やり甲斐に感じる部分でもあります。空室を埋めるための判断・実行が、良い結果になったとき、経営が楽しくなります。
「賃貸経営とは何か」「どう経営すればよいのか」いち早く経験させることが本当の事業承継です。
法人化は、事業承継には最適な場作りと言えるでしょう。
一方、役員に入れることで、事業承継が上手くいかないケースがあります。そのお子さんが、役員報酬を当然のようにもらい、経費を自由に使えるという感覚になってしまう場合です。
とくに社会人経験がない場合にありがちですが、「苦労しなくてもお金を手にする方法がある」とか、「お金の使いみちを自分の自由に決められる」などという勘違いをしてしまいがちになります。
これでは、役員に入れたばかりに、悪影響を及ぼしてしまうことになります。これを防ぐためには、しっかりと教育していくことです。
賃貸経営の大変さ。
「決断すること」と「責任」は背中合わせであること。
賃貸経営はどうやって収入を得ているのか。
誰を喜ばせないといけないのか。
教育でしかないのです。
これは承継する側の務めです。この教育ができるかどうかが、事業承継が上手くいくかどうかなのです。
この先、賃貸経営はもっと大変になる。
子どもに、自分以上の苦労させるのは忍びない。
そう思って、引き継がせることをためらう大家さんがいらっしゃいます。
親心としては当然でしょう。
しかし、あえて言います。借金が返せないくらいの不採算の賃貸経営を親から引き継ぎ、自分で税理士事務所を経営している私だから言えることかもしれません。
「苦労こそ、最大の財産である」と。
人生は山あり谷ありです。谷がない人生はありません。そこをどう乗り越えるか。乗り越える能力こそが本当の財産と思います。
経営から大事なことを学ばせてもらいました。
私は、嫌で嫌で仕方がなかった賃貸経営に向き合って改善しました。そこを乗り越えた今、自信がついてきたのか、窮地の局面が楽しいとすら感じます。こんな経験をさせてくれた親には本当に感謝です。
こんな素晴らしい体験ができる賃貸経営。
ちゃんと魅力をお子さんに伝えられていますか?
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