この記事の執筆者
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渡邊 浩滋
所属 Knees bee税理士法人 代表
職業 税理士、司法書士
大学在学中に司法書士試験に合格。
大学卒業後総合商社に入社。法務部として契約管理、担保管理、債権回収などを担当。
退職後、税理士試験に合格。2011年12月独立開業。
税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動中。
賃貸住宅フェアなど講演・著書多数。
最近、「親からアパートを相続してしまった……」という相談が多いと感じています。
「してしまった」
相続したくても、財産がなければ相続はできません。「相続できるものがあるだけましでは?」と思うことでしょう。
この記事の内容
先日も、「引き継いでしまった」という方からの相談を受けました。
聞けば、築40年のアパート、都内駅10分以内の立地、満室、借入なし、預金は1,000万円ほどあるとのこと。
何を心配しているのかと思うくらいに好条件です。
しかし、相続してしまった人にとっては負担に感じているのです。
何が負担なのか、何が不安なのか、本人にもわかっていません。漠然とした不安を抱えているのです。
じつはこのようなケースは少なくありません。
こういった場合、まずは引き継いだ賃貸経営が良い状態なのか、悪い状態なのかを冷静に判断することから始めるべきです。
まずは、次の6つの項目について状況を分析しましょう。ひとつでも×がついたらダメということではないのでご安心を。
賃貸経営において立地は非常に重要です。
駅10分以内なら好立地。15分以内なら許容範囲でしょう。
一般的に都市部、駅近がよいとされますが、地方でも駅近でなくても、需要があれば賃貸経営は成り立ちます。
周りの賃貸物件の入居はよいのか、近くに学校や会社などがあるか、今後の人口推移はどうなっているのか、その地域の将来も含めて検討するべきでしょう。
築30年以上であっても、今までのメンテナンス状況によって大きく変わります。小まめにメンテナンスをしていたかどうかで、見た目も変われるし、今後どのくらい長持ちするかも変わってきます。
今後、大規模修繕でいくらくらい支出が必要になるかは確認しましょう。
外壁の塗り替えは15年~20年周期。屋上防水は、10年~15年周期で修繕が必要です。
これらの修繕をいつやっているか。
それによって今後の資金繰りに影響することになります。
また室内でも時代にあったリフォームが必要な場合があります。
例えば、外置きの洗濯機は、嫌厭される傾向にあります。室内に洗濯機置場を設ける工事をすると、大きな費用がかかってきます。
しかし、今後の入居付けを考えると必要な支出とも言えます。
部屋が空いた都度工事をやるとしても、総額でいくらくらいかかるかを試算しておく必要があります。
また、入居者の家賃管理も重要です。
家賃は2~3ヶ月滞納すると、まとめて払うことが現実的に難しくなってきます。滞納させないように対応できているか。督促する仕組みがあるか。滞納は、すぐに対応することが肝要なのです。
入居状況を分析するにあたり、まず現在の稼働率がどのくらいかを確認してみましょう。
ざっくりで構いません。稼働率の計算方法を紹介します。年間の家賃収入で考えると簡単に稼働率を測ることができます。
仮に稼働率が50%だとしても、ダメな物件と決めつけるのは早計です。それが改善できるかどうかの方が重要なのです。
すでに努力をしていて50%なのか、何も努力していなくて50%なのかでは大きく違います。
相続税を抑えるため、借り入れを多くしている地主さん・大家さんは多くいらっしゃいます。建物が古くても借り入れがまだまだ残っているケースもよく見かけます。
相続税を抑えるために借り入れをしたとしても、賃貸経営を維持していくためには、この借り入れが重荷になってしまいます。
借り入れがどのくらい残っていて、あと何年で返済できるのか、きちんと把握する必要があります。所得が大きくても、借り入れの返済が大きくてキャッシュが残らない大家さんは非常に多いのです。
借入状況を測るために、返済比率を計算してみましょう。返済比率は下記の算式に当てはめれば計算できます。
この返済比率が50%以上であれば、今すぐではなくても将来的に資金繰りに窮する可能性が出てきます。70%以上であれば、相当苦しいでしょう。
苦しい状況であれば、売却も検討した方がよいですが、下記の方法によっても返済比率を下げることは可能です。
① 金利を下げること
② 融資期間を伸ばすこと
③ 繰上げ返済をすること
借り入れが多額にあっても、現預金を多くもっていれば問題はありません。
大家さん・地主さんの財産構成は、ほとんどが不動産です。
建て替えや大規模修繕のために建築当初から積み立てている大家さんは非常に稀です。現金が多ければ多額の相続税を払っている可能性があり、手元資金があまりないのが実情です。
現金がなくても、金融機関から融資を受け、借入れでまかなえれば問題はないと言えます。問題は借入れができるかどうかです。
金融機関が融資するかどうかは、基本的には担保余力があるかどうかで判断します。
担保余力の計算は、金融機関によって異なりますが、一般的な算式は次の通りです。
担保価値(※) - 現在の借り入れ残高 = 担保余力
(※)担保価値=(土地の面積×路線価)+{建築単価×延床面積×(法定耐用年数-築年数)÷法定耐用年数}
今現在、担保余力がなくても、借り入れの返済が進めば、担保余力が増えてきます。
大規模修繕や建て替えのタイミングが先にあれば、その時点の借入残高で計算してみてもよいでしょう。
賃貸物件を引き継いだことによって、税金(所得税・住民税)がどのように変わるかはとても重要なことです。とくに、サラリーマンや自営業をやっている状態で賃貸経営を引き継ぐと、もともとの給与所得や事業所得に不動産所得が上乗せされて税金がかかってきます。
これは家賃収入の大きさだけでは計れません。家賃収入は大きくなくても、減価償却が少なくなっていれば、所得が大きくなっていることもあるのです。
そもそも高い税率になってしまっている人が、賃貸経営を引き継ぐと、その所得についても高い税率で課税されてしまいます。
それによって、賃貸経営のキャッシュフローがマイナスになってしまうこともあるのです。これでは、何のために賃貸経営をするのかわからなくなってしまうことでしょう。
ただし、税金が高くなるから「賃貸経営を辞めた方がよい」ということではありません。賃貸物件を法人経営にする、いわゆる法人化という改善策があるからです。法人化をして改善できるかを検討するべきです。
いかがでしょうか。一つ一つ分析してみれば、何が良くて何が悪いかがわかるのではないでしょうか。
全部悪いことはまれです。悪いところは、改善できるところ。何が課題なのかを明確にすれば改善は難しくありません。
最初から良い状態で賃貸経営を引き継ぐことはないかもしれません。しかし、そこから良い状態にするのは、自分次第なのです。
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