この記事の執筆者
この記事の執筆者
太田垣 章子
所属
職業 司法書士・賃貸不動産経営管理士
家主側の訴訟代理人として、延べ3000件近くの悪質賃借人明け渡しの訴訟手続きを受託してきた、賃貸トラブル解決のパイオニア的存在。
住まいのトラブル解決だけでなく、終活・相続サポートにも従事。実務だけでなく、講演や執筆等で積極的に発信もしている。
通称:あやちゃん先生
20年以上賃貸トラブルに携わり、たくさんの大家さんと出会ってきましたが、残念ながら「経営者」という意識が低い印象を時々受けます。
おそらく一般的な事業に比べ、トラブルさえなければ大家さんの出番があまりないからでしょうか。
最近では管理会社や家賃保証会社を利用することが、一般的になりました。そのため入居申し込みがあっても「保証会社の審査が通ればいいよ」と、他人任せになっている傾向があります。
ただこれは、絶対にやめましょう。あくまでも貸主は大家さんであり、入居審査の判断そのものはご自身ですべきです。
賃貸業はあくまでも事業であり、大家さんはその当事者です。しっかり審査するために入居申込の連絡は、電話ではなく必ず書面でもらいましょう。入居申込書に記載されているもの全てを、確認して欲しいからです。
最近では入居申込者の手書きではなく、システムからの印字された書面が多くなりましたが、もし手書きなら丁寧に書かれているかも確認します。
3000件近くの賃貸トラブルを受任してきましたが、その大半に、殴り書きしたような字、読めないほど乱雑な字が残っていました(決して綺麗、汚いではありません)。もちろん字の良しあしで断るわけではありませんが、ひとつの判断材料にはなるかと思います。
まず入居申込を受けたら、記載の住所が実在するかどうかを地図アプリ等で確認しましょう。
過去のトラブル案件では、記載された住所の建物はすでに取り壊されているものの、住民登録だけは残っていて、そのまま住民票が提出されたことがありました。
住民票を見てわざわざ調べることもなく、大家さん側は何の疑問も抱かなかったのでしょう。
トラブルが発生して私が確認してみて初めて、建物はかなり前に取り壊されていたことが分かりました。もし入居申込時に確認していればこの事実を知ることもできたでしょうし、その段階で本人に問い合わせすることもできたはずです。
この賃借人は当該物件にも住民登録は異動せず、取り壊された建物のまま。結局のところ、賃借人の実体を把握することはできませんでした。
この案件は特殊ではあったでしょうが、少なくとも地図アプリ等で、現住所の雰囲気を写真で把握することはできます。
住所地の建物を調べれば、今の広さや家賃帯が分かります。申し込みのあった物件と比べてみましょう。家賃帯が極端に高くなっている場合には、支払いの原資を確認しなければなりません。
次に今の住まいを把握した上で、今回の引越しの理由を検討します。
人は何気に転居を決断はしません。それなりの理由があるから、面倒で費用のかかる引越しをするのです。そこが曖昧、もしくは転居を急いでいる場合には、注意が必要です。今の住まいから、よからぬ理由で退去を迫られている可能性があるかもしれません。
今のところが狭いからとか、周りの環境がうるさいとか、それなりの理由がある場合には、その情報と予め確認していた現住所からの情報を照らし合わせ、入居申込者が主張していることとの辻褄が合っているのかどうかを考えてみましょう。
「そりゃそうだよね」と納得できれば、その点ではクリアでしょうし、もしチグハグな印象を受ければもう一歩踏み込んだ理由を聞いてみたいところです。
賃貸借契約の場合、入居者にあれこれ質問等ができるのは、審査の時だけです。
疑問点も解消しないまま契約してしまった場合、一旦入居してしまうとあれこれ確認することもできず、何かトラブルが生じても退去してもらうのは一苦労。お金も時間もかかります。
納得いくところまで確認する、入居審査ではその心意気が重要です。
最近では家賃保証会社の利用が増えたため、連帯保証人の利用は少なくなりました。しかしながら特に中高年以降の申込者の場合には、連帯保証人をお願いしましょう。
その理由は、家賃保証会社は家賃滞納の対処ですが、中高年になると10年先、20年先には高齢になって認知症等の問題も予想されます。この時にはすべてのトラブルの当事者となる連帯保証人が心強い存在だからです。
よく「緊急連絡先があるから大丈夫」という大家さんもいらっしゃいますが、緊急連絡先は法的には何の責任も負いません。「連絡して来ないで」と言われてしまうと、それ以上は何もお願いできません。
その点連帯保証人は、退去するまでその賃貸借契約において賃借人と同じように責任を負う存在です。家賃滞納だけでなく、入居者の騒音問題や、問題行動など様々なケースにも対応してくれる存在です。
賃貸借契約は定期建物賃貸借契約でない限り、基本は延々と続くものです。
しっかり審査をしたとしても、長い期間に何があるか分かりません。その中で連帯保証人やご家族の協力は、命綱となります。そうならないよう申込時から将来起こるかもしれないトラブルを予想して、しっかり保全しておきましょう。入居審査は基本であり、重要であると認識していただきたいと思います。
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