【初心者向け】マンション一棟買いの基礎知識|区分所有との比較と失敗事例・リスクの解説

この記事は、一棟マンション買い(投資)の特徴を、区分マンション投資と比較しながら分かりやすく解説していきます。
この記事を読むと、
- 一棟マンション買い(投資)のメリット
- 一棟マンション買い(投資)の特徴
- マンション投資の失敗事例
といったことがわかります。
1.一棟マンション買い(投資)と区分マンション投資の違い
マンション投資には大きく分けて「一棟マンション買い(投資)」と「区分マンション投資」があります。
- 一棟マンション買い(投資):
マンションを一棟丸ごと所有する方法。 - 区分マンション投資:
1部屋単位で所有する方法。
両者にはそれぞれ異なる特徴があるため、自分の目的に合った投資方法を選ぶことが大切です。
今回は一棟マンションにフォーカスして説明していきます。
2.【比較】一棟マンション買い(投資)の特徴
一棟マンション買いと区分マンション投資の違いを、以下の項目ごとに見ていきましょう。
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション (投資) |
|
---|---|---|
収益性 | ◎ | △ |
空室リスク | ○ | × |
管理コスト | ○ | △ |
運営の自由度 | ◎ | △ |
初期費用 | × | ○ |
流動性 | × | ◎ |
2-1.収益性が高い
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
収益性 | ◎ | △ |
一棟マンション買いは収益性に優れています。
区分マンションに比べて貸し出せる部屋数が多い分、大きな収益を期待できるからです。
例えば家賃10万円の部屋を貸し出す場合、両者のマンションの収益には以下のような差が発生します。
- 一棟マンション買い:
10万(円)× 10(部屋 = 100万(円) - 区分マンション投資:
10万(円)× 1(部屋)= 10万(円)
また、それぞれの表面利回りは以下のようになっています。
一棟マンションの利回り | 区分マンションの利回り |
---|---|
8.13% | 7.65% |
参考:「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)」
利回りとは、新築マンションの初期費用に対する、1年間の収益の割合です。
一棟マンションのほうが高い利回りを記録しています。
2-2.空室リスクが低い
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
空室リスク | ○ | × |
一棟マンション経営は部屋数が多いので、空室リスクを分散できるメリットがあります。
例えば、15戸のマンションを建築し、その15戸が全部同じ賃料設定だったとします。
仮に15戸中2戸がそれぞれ年間1カ月間空室になったとしても、ほかの部屋の賃料収入があるので、マンション全体としては約1.1%の収入減に過ぎません。
一方、区分マンション投資で1部屋を所有している場合、その部屋が空室になると家賃はゼロになってしまいます。
複数の部屋を所有して空室リスクを分散することもできますが、管理コストが大きくなるのでおすすめしません。
2-3.管理コストが高い
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
管理コスト | ○ | △ |
マンション経営においては、以下の業務が必要になります。
- 検討者の募集や物件案内
- 入居者との契約関連
- 家賃の徴収
- 家賃滞納時の対応やクレーム対応
- 共用部の清掃
- 共用部の修繕計画策定や修繕手配
- 退去時の立ち合いや修繕手配
一棟マンションの場合は部屋数が多く、共用部分も区分より広いため、管理コストが大きいです。
しかし手間や時間をかけられない場合は、基本的に家賃の数%ほどの手数料で管理会社に委託することができます。
一方区分マンションの場合、所有するのが1部屋なら一棟マンションよりも管理の手間は小さくなります。
しかし複数の部屋を所有する場合は、部屋の数だけ購入手続きや不動産会社とのやり取りを行わなければならず、管理コストが膨らみます。
2-4.運営の自由度が高い
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
運営の自由度 | ◎ | △ |
一棟マンションは1つのマンションを丸ごと所有するため、建物全体に対して所有権を持ちます。
そのため意思決定を自由に行いやすい特徴があります。
例えば以下のような事柄に関して、自分の好きなように決定できます。
- 家賃価格の設定・変更
- 修繕修理
- ニーズに合わせた設備投資
区分マンションで所有するのはあくまで1部屋であり、マンション全体は共同所有です。
そのため他の部屋の所有者から合意を得なければ変えられない事も多々あります。
ニーズや状況の変化に合わせてスピーディーに意思決定を行えるのは、一棟マンション投資の大きな強みです。
2-5.初期費用が高い
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
初期費用 | × | ○ |
一棟マンション買いは、初期費用の高さがネックだといえます。
マンションの建設には1億円以上の費用がかかることも珍しくありません。
もちろんローンを活用することはできますが、総工費の20〜25%は自己資金で用意するのが望ましいです。
一方区分マンション投資は1部屋から所有できるので、一棟マンション買いより大幅に安価で投資をスタートできます。
目安は2,000万〜4,000円ですが、中には1,000万円前後で購入できる部屋もあります。
2-6.流動性が低い
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
流動性 | × | ◎ |
流動性とは売却のしやすさを指します。
一棟マンションは高額になるので、丸ごと買ってくれる人を見つけるのは難しく、基本的には売りづらいです。
区分マンションであれば、金額もリスクも小さめな分、購入してくれる人を見つけやすいです。
収益が上がらず、やむなく手放す際の売却の難易度についても、事前に考えておくようにしましょう。
3.一棟マンション買い(投資)の失敗事例
一棟マンション買いの失敗事例を、以下の順番で紹介します。
- 高額ローンを組んだことによる失敗事例
- 売りたくてもなかなか売れない失敗事例
- 入居者の募集方法による失敗事例
失敗事例についてより詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
3-1.高額ローンを組んだことによる失敗
マンション建築はマイホームと比べて建築費の額が大きいこともあり、金銭感覚がまひしてしまいがちです。
「家賃収入で返済できる」という気持ちの余裕から、高額なローンを組んでしまう方もいるでしょう。
しかし、立て続けに空室が出てしまったなど想定外のことが起きてしまった場合、実質利回りは悪化し、ローン返済に苦しむことになります。
金銭面でのリスク管理には特に注意が必要です。
3-2. 売りたくてもなかなか売れない失敗
築30年を超えたマンションは、大規模修繕の必要に迫られます。
これには数百万円の費用がかかるため、マンションを売却しようと考えるオーナーも出てきます。
しかし、法定耐用年数を超えたマンションはローンを組めないこともあって買い手がつきにくく、売りたいのに売れない、しかし修繕ができないので空室が増えていくという負のループに陥りがちです。
築10年程度のマンションは建物もまだ新しく耐用年数も残っているため、買い手がつきやすいでしょう。
しかし、建物は新築の時期を過ぎるとあっという間に値が下がり、築10年でも新築時の2~3割は値下がりするため、買い手がついてもローンが残ってしまうことがあります。
マンションの売却タイミングには難しい部分があるので、事前に「出口戦略」(何年目で手放すか、そこまでにどのような修繕費を掛けていくか 等の見通し)をしっかり立てておきましょう。
3-3. 入居者の募集方法による失敗
賃貸マンションを経営する上で意外と問題になりやすいのが、入居者間、もしくは近隣住民とのトラブルです。特に次のようなケースが多いようです。
- ゴミ出しのルール無視
- 放置自転車などのマナー違反
- マンション内の共用部分の使い方や騒音をめぐるトラブル
またオーナーと入居者の間で起こる問題としては、家賃滞納と居室の修繕に関わる事項などがあります。
管理会社へ管理を委託している場合、オーナー自身がトラブルに巻き込まれることは少ないかもしれませんが、家賃滞納に関しては収入減やローンの返済に直接影響します。
滞納は長期にわたるほど回収が難しくなり、最終的に訴訟問題に発展してしまう可能性もあります。
オーナー側としては多大なストレスを抱えることになります。
4.一棟マンション買い(投資)に向いている人
一棟マンション買いに向いている人は、以下のような人です。
- 広めの土地を持っている
- 自己資金に余裕がある
- 資産運用や相続税対策をしたい
一棟マンション買いは初期費用やランニングコストがかかるので、十分な自己資金を持っている人におすすめです。
リスクはあるものの、軌道に乗れば長期にわたって安定した収益を期待できるでしょう。
マンション経営に関してより詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
以下は、一棟マンション買い(投資)と区分マンション投資の特徴を比較したものです。
一棟マンション買い (投資) |
区分マンション投資 | |
---|---|---|
収益性 | ◎ | △ |
空室リスク | ○ | × |
管理コスト | ○ | △ |
運営の自由度 | ◎ | △ |
初期費用 | × | ○ |
流動性 | × | ◎ |
詳細は「2.【比較】一棟マンション買い(投資)の特徴」にて解説しています。
以下は、一棟マンション投資のよくある失敗事例です。
- 高額ローンを組んだことによる失敗
- 売りたくてもなかなか売れない失敗
- 入居者の募集方法による失敗
詳細は「3. 一棟マンション買い(投資)の失敗事例」にて解説しています。
一棟マンション買い(投資)に向いている人は、以下のような人です。
- 広めの土地を持っている
- 自己資金に余裕がある
- 資産運用や相続税対策をしたい
詳細は「4. 一棟マンション買い(投資)に向いている人」にて解説しています。
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