この記事の執筆者
この記事の執筆者
木﨑 海洋
所属 行政書士きざき法務オフィス 代表
きざきFPオフィス(株)代表取締役
職業 行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー(AFP)ほか
相続専門の行政書士と不動産・FP業務を行う。
同時に「こころ亭久茶」として「落語で学ぶ相続と不動産」などセミナー講師をする。
落語形式の講演は珍しく、難しい話を笑いながら学習できると評判となり全国で年間140回の講演をする。
これから「不動産相続を受ける」皆さん。引き継いだもののどう活用すれば良いのか、迷っている方も多いでしょう。中には「こんな家や土地、誰も欲しがらないだろう…」と半ば諦めている方もいるはず。
行政書士きざき法務オフィス代表で、相続・不動産取引などを専門とする木崎 海洋先生(※崎はたつざき)によると「自身にとってはお荷物不動産でも、他人にとってはお宝不動産になり得る」とのこと。
一体どういうことでしょうか。今回は木崎先生に、不動産を相続する際にすべきことや「お荷物不動産」が「お宝不動産」になるケースについて、お話を伺いました。
この記事の内容
需要の旺盛な都心部や駅前を除き、人口減少地域の土地や建物といった不動産を相続する場合(もしくは相続した場合)、「なるべく早く準備をして、対策を講じること」が大切です。なぜなら、不動産活用をするための準備には相応の時間がかかり、また時流的に対策を講じなければ不動産を売ったり貸したりできない可能性があるためです。
まず準備とは、具体的には相続登記や境界確定、抵当権抹消登記などの法的な手続きのことです。
これらの準備には相応の時間と手間がかかります。例えば、土地の範囲を明確にする境界確定の手続き一つとっても、お隣さんに立ち会ってもらい、土地の範囲を確認してもらわなければいけません。お隣さんと不仲であったり、お隣さんの相続人が不明なケースだったりも少なくなく、その場合はかなりの時間を要します。
このように境界確定作業一つでも、その手続きは大変です。場合によっては不動産活用をするための法的な準備が完了するまでに、2~3年かかるケースも少なくありません。
準備を完了したとしても、対策を練らなければ、相続した不動産を活用できないリスクが高まります。それは、人口減少を背景に言ってみれば「空き家・空き地のライバル」が全国的にどんどん増えているからです。この傾向は日本の人口が減少し続ける限りは変わらないでしょう。
人口減少が続けば、「売り地や貸し地が多く選ばれない」「売れた(貸せた)としても、価格が安い」という事態に陥りかねません。だからこそ、相続した不動産をどのように活用していくのか、その対策を考える必要があるのです。
では、具体的にどのような対策が有効なのでしょうか。まずは「売り(貸し)に出しておくこと」が大切です。なぜなら、不動産売買や賃貸はタイミングが重要だからです。
一つ良い実例があります。私は以前、「埼玉県の郊外の土地を売って欲しい」というご依頼を受けたことがありました。その土地は駅から遠く、車がないと不便な地域にあります。
しかしその土地は“入り口が狭くて駐車ができない”という欠点を抱えていました。そういった事情もあり、売りに出しても買い手がつかなかったのですが、しばらくして隣の家の方がその土地を買ってくれたのです。
話を聞くと「近々、息子が転勤で帰ってくることになり、隣の土地に家を建てたい。車は自分の土地を利用し駐車ができる」とのこと。都合よく駐車ができない土地の欠点を補えた形でした。お隣さんにとって、息子さんが帰ってくるタイミングでその土地への需要が生まれたわけです。
このように、今はご自身の不動産を必要とする人がいなくとも、1年後には欲しい人が現れるかもしれません。いつ欲しい人が現れても良いように、不動産を市場に出しておくことが重要です。
また、私の場合は、土地の売買を依頼された際には、その土地の近隣の方々にも必ず声をかけるようにもしています。
不動産は使っていなくても、少なくない負担が所有者にかかります。
具体的には、固都税(固定資産税・都市計画税)や建物維持費、電気・ガス・水道代などの金銭的負担に加え、防犯対策や庭木の剪定など時間・手間の負担が生じます。活用していない不動産はお金と手間だけがかかる「お荷物不動産」であり、所有者ならその不動産を何とかしたいと考えるはずです。
「うちの不動産を買う(借りる)人なんていないだろう」と諦めている人もいるかもしれません。しかし、買い手・借り手がつかないと思い込んでいる「お荷物不動産」が他人には魅力的な「お宝不動産」に変身する事例はたくさんあります。
不動産を売り(貸し)に出した上で、並行して、地元の不動産業者や建築業者など専門家にも相談しましょう。
専門家は「この土地はこういう使い方をしたら良いのではないか」と常に考えており、アイデアも豊富です。昔にはなかったニーズや意外なニーズもあるのです。
私が実際にニーズをくみ取りアドバイスして成功した事例を紹介します。
都内のあるアパートの家主さんから相談がありました。
そのアパートは河川敷のそばのなだらかな坂道にあります。最寄り駅からは徒歩25分ほど。バス停からも徒歩15分ほどかかる。通勤や買い物にはだいぶ不便な場所です。
そこで私は「ペット共存型アパート」を提案しました。その結果、すぐ満室になりました。この近隣ではペット共存型の物件がなかったのです。
人間にとっては少々不便な場所であっても、ワンちゃんを飼っている人にとっては好立地の場合があります。
夏のアスファルトでの散歩はワンちゃんにとって熱過ぎてよくありません。一方で、河川敷の砂利道や草むらは快適だといいます。また、自動車も通らないので子供と一緒の散歩も安全です。
愛犬家にとっては、ワンちゃんの快適性が優先という方もいます。
また、最近では下記のようなポスターがいたるところに貼ってあります。これでは住宅街や道路での散歩もしづらいですね。フンの始末は当たり前ですが、オシッコは持ち帰るわけにもいかず、水をかけるくらいしかできません。
愛犬家にとっては肩身の狭い話ですが、そこで、河川敷です。草むらではオシッコも目立たず、安心して散歩ができるそうです。
じつは、私はこの河川敷を毎日ランニングしており(その割にはやせない……)、散歩中の飼い主さんからこのような話を聞いていたので家主に提案してみました。
コロナ禍でペットも増えているようで、公園や河川敷そばのアパートはこのようなニーズも多いのではないでしょうか。(ワンちゃんに「入居申込書」を書いて頂く時代なんですね)
近年は介護・福祉施設のニーズも増えています。
老人ホームのような介護・福祉施設というと、大規模施設を想像するかもしれませんが、業態も多様化し少人数で入居や利用する一軒家規模の施設もあります。2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることもあり、介護・福祉施設や高齢者施設のニーズは今後2~30年は旺盛なのではないでしょうか。
こんな事例もありました。
地方の山や田畑に囲まれた築古の古民家。こんな場所でこんな古家をだれも買ってくれないだろう、と期待を持たずに売りに出していたところ、IT企業が買ってくれたのです。このIT企業は高い家賃を支払い狭苦しい都心の駅前に事務所を構えていました。
しかし、IT企業ならインターネットさえつながればどこでも仕事ができるのです。リフォームをして自然に囲まれた環境で社員が伸び伸びと仕事をしています。
インターネットの普及やコロナ禍での在宅ワークなど、以前にはなかったニーズが今はあるのです。
そのほか、田舎の不動産であっても田舎暮らしブームを背景に都市部との2拠点生活や移住のニーズもあります。
このように「こんな家・土地を誰が欲しがるのだろうか…」と本人が思っていたとしても、他人にとっては「理想的で素晴らしい!」と思えるお宝不動産であるケースはよくあります。自分自身で可能性を狭めず、信頼できる専門家とお宝不動産に変身させるための作戦会議の場を設けてみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者
この記事の執筆者
木﨑 海洋
所属 行政書士きざき法務オフィス 代表
きざきFPオフィス(株)代表取締役
職業 行政書士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー(AFP)ほか
相続専門の行政書士と不動産・FP業務を行う。
同時に「こころ亭久茶」として「落語で学ぶ相続と不動産」などセミナー講師をする。
落語形式の講演は珍しく、難しい話を笑いながら学習できると評判となり全国で年間140回の講演をする。
お役立ちガイド内検索
HOME4Uでは、さまざまな形でアライアンスを組むパートナーサイトさまを募集しています。お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
使い方に関するご不明点など、お困りのことがありましたら専属のオペレーターがお受けします。何でもお気軽にご相談ください。
電話
0120-245-171
受付時間
平日10:00~18:00
土地活用に関して
土地活用の方法
土地活用の相談先
空き家の活用方法
駐車場経営
アパート経営・マンション経営に関して
アパート経営の基礎
アパートの建築費
アパート経営の利回り
アパート経営の収入
アパートの建て替え
アパートローンについて
マンション経営の基礎
マンションの建築費
マンション経営の利回り
マンション経営の収入
賃貸経営に関して
賃貸併用住宅経営の基礎
戸建て賃貸経営の基礎
ビル経営の基礎
店舗付き住宅の基礎
土地活用、不動産投資の収益最大化プランを見つけるなら、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」で!
NTTデータ・ウィズが運営する「HOME4U土地活用」は、全国の大手企業から、最大10社にまとめて無料で土地活用・不動産投資の一括プラン請求ができるサイトです。マンション経営やアパート経営、駐車場経営、賃貸併用住宅、大規模施設などの収益性の高い土地活用や不動産投資を検討している方は、ぜひご利用ください。プランを比較することであなたに合った収益最大化プランを見つけることができます。土地活用、不動産投資の無料一括プラン請求なら、「HOME4U土地活用」にお任せください。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。