この記事の執筆者
この記事の執筆者
椙原 あやめ
所属
職業 一級建築士
組織設計事務所で公共建築物や店舗の実施設計、アトリエ事務所で個人住宅の建築・家具設計や申請業務などを足かけ15年経験後、独立。
現在はフリーランスとして、取材・撮影・執筆などコンテンツ制作に携わっている。
これから新築アパートを建てて不動産経営をする大家さん向けに、地震に強いアパートについて解説します。地震大国の日本でアパートを建てるなら、地震に強い建物がおすすめです。入居者を守り、資産価値も高い賃貸アパートの特徴を解説します。
結論からお伝えすると、適切な設計・施工を行っていれば、構造による強度の差はあまりありません。建物構造は以下の通りです。
ただ、鉄骨鉄筋コンクリート造は工事費が非常に高く、低層のアパートにはあまり採用されません。賃貸アパートに多く採用される3つの構造について、特徴を説明します。
木造は、骨組み部分の柱や梁などに木材を用いた構造です。木造の工法は、大きく分けて在来工法と枠組壁工法があります。
在来工法は、柱や梁、筋交いなどの部材で構成しています。昔から長く行われてきた工法で、間取りの自由度が高く、リフォームしやすいのが特徴です。
枠組壁工法は、建築部材を工場で製作し、ある程度組み立てたものを現場に搬入します。品質が安定しているのが特徴で、ハウスメーカーが多いです。
木造アパートを建てるなら、地場の工務店は在来工法、大手ハウスメーカーは枠組壁工法を採用していることが多いです。地震の強さにおいては、木造の工法は無関係です。木造建築物の地震への強さの判断基準は、後述する「耐震等級」です。
そのため、木造アパートを建てるなら、建築会社の信頼性や建物のデザイン性で選んでも良いでしょう。建物構造の中では、木造が最も建築費を安く抑えられます。
鉄骨造とは、柱や梁などの主要な骨組み部分に鉄骨を採用した構造です。 鉄骨造には2種類あり、重量鉄骨造と軽量鉄骨造があります。使われている鋼材の厚みによって、鋼材厚6mm以上を「重量鉄骨造」、鋼材厚6mm未満を「軽量鉄骨造」と呼びます。
重量鉄骨造は、高層ビルやタワーマンションで採用されることが多く、アパートの場合は、軽量鉄骨造であることが多いです。
軽量鉄骨造は、木造と比べて耐久性や耐震性が高いのがメリットですが、防音性や耐火性がやや低いのが弱点です。
鉄筋コンクリート造とは、柱や梁などの主要な骨組み部分に鉄筋で補強したコンクリートを使った構造です。
鉄筋を組み上げ、型枠で囲み、コンクリートを流し込んで固めます。RC造は引張力に強い鉄筋と、圧縮力に強いコンクリートをあわせているので、強度がとても高く、耐久性・耐火性・遮音性に優れます。
建築費用は高いですが、法定耐用年数も47年と長く、適切にメンテナンスすれば長く運用できます。(木造の法定耐用年数は22年です)
耐震等級の概念は木造に適用されますので、木造アパートを建てる際には耐震等級にも着目してください。
建築基準法において耐震性能を満たす基準。耐震等級において最も下の基準で、極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力で倒壊しない基準で建てられています。
地震の震度は、震度6強から7程度で想定されています。
耐震等級1の1.25倍の地震力がかかっても倒壊しない基準。市庁舎や学校、病院などはこの基準で建築されています。
耐震等級1の1.5倍の地震力がかかっても倒壊しない基準。耐震等級において最も厳しい基準で、消防署や警察署などの防災拠点は耐震等級3で建築されています。
耐震等級の中で最高基準が「耐震等級3」です。第三者機関(住宅性能評価機関)の認定を受けるので手間がかかりますが、最近は標準仕様とし、追加費用なしで等級3で建てられるハウスメーカーが増えています。
地震の揺れに強い建物の形は、シンプルな長方形です。アパートの間取りは上下階が同じで、途中の階に、壁が少ない大ホールなどがない平面プランが理想です。
アパートなら、1階にピロティがないことも「地震に強いアパート」の条件として挙げられます。ピロティとは1階部分が柱で支えられた外部空間で、駐車場やエントランスとして使われることが多いです。柱だけで支えているので、地震の揺れでねじれが起こってしまいます。
地震の揺れに弱いため注意してほしいのは、L字型やコの字型のアパートです。地震による倒壊を免れても、特定の部分が壊れる可能性があります。
地震による二次災害をできるだけ抑えて被害を最小限にすることも大切です。アパート運用を土地購入から行うなら、建物自体が地震に強いだけでなく、地盤や周辺環境も確認してください。
埋め立て地や海岸沿い・河川沿いの土地は、大地震で液状化が起こるリスクがあります。地盤が地震で泥のように緩むと、建物が倒壊する危険が高まります。
建物を建てる前に地盤調査を行い、必要に応じて適切な対策(地盤改良工事等)をすれば液状化リスクを減らせますが、追加費用が必要です。
古くから家が建ち並んだ木造住宅密集地域だと、道が狭いことが多いです。普段は落ち着いて暮らせるので良いのですが、緊急時には欠点があります。
敷地前の道幅が狭い、「狭あい道路」だと、救急車がたどりつけなかったり、消防車がスムーズに消火活動できなかったり困ることがあります。
敷地周辺環境も確認しておきましょう。周辺地域に危険なものがないことも大切です。隣地に古いコンクリートブロック塀や放置された空き家がある場合、地震の揺れで崩れて影響が及んだり、アパート入居者の避難に支障がでたりする恐れがあります。
大地震による二次災害で特に懸念されるのは、火災や停電、ガスや水道などライフラインの寸断です。昔は「木造は火災に弱い」といわれていました。ただ、最近は建築工法の進化が目覚ましく、主要な構造部すべてを木でつくった純木造高層ビルも建てられるようになりました。
これから新築するのであれば、火に弱そうという理由だけで木造を候補から外さなくても良いでしょう。(ただし入居者が不動産ポータルサイト上で検索する時に、木造は選択肢から外されることはあるでしょう)
地震の強さは構造(木造、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート造)では一概に決められず、木造でも耐震等級3の建物なら地震に強いといえます。周辺状況や地盤、二次災害のリスク有無も考えながら、計画してください。
大家さんが地震に強いアパートを建てることは、入居者の安全と命を守り、結果的に建物の資産価値を長く維持できます。
この記事の執筆者
この記事の執筆者
椙原 あやめ
所属
職業 一級建築士
組織設計事務所で公共建築物や店舗の実施設計、アトリエ事務所で個人住宅の建築・家具設計や申請業務などを足かけ15年経験後、独立。
現在はフリーランスとして、取材・撮影・執筆などコンテンツ制作に携わっている。
お役立ちガイド内検索
HOME4Uでは、さまざまな形でアライアンスを組むパートナーサイトさまを募集しています。お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
使い方に関するご不明点など、お困りのことがありましたら専属のオペレーターがお受けします。何でもお気軽にご相談ください。
電話
0120-245-171
受付時間
平日10:00~18:00
土地活用に関して
土地活用の方法
土地活用の相談先
空き家の活用方法
駐車場経営
アパート経営・マンション経営に関して
アパート経営の基礎
アパートの建築費
アパート経営の利回り
アパート経営の収入
アパートの建て替え
アパートローンについて
マンション経営の基礎
マンションの建築費
マンション経営の利回り
マンション経営の収入
賃貸経営に関して
賃貸併用住宅経営の基礎
戸建て賃貸経営の基礎
ビル経営の基礎
店舗付き住宅の基礎
土地活用、不動産投資の収益最大化プランを見つけるなら、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」で!
NTTデータ・ウィズが運営する「HOME4U土地活用」は、全国の大手企業から、最大10社にまとめて無料で土地活用・不動産投資の一括プラン請求ができるサイトです。マンション経営やアパート経営、駐車場経営、賃貸併用住宅、大規模施設などの収益性の高い土地活用や不動産投資を検討している方は、ぜひご利用ください。プランを比較することであなたに合った収益最大化プランを見つけることができます。土地活用、不動産投資の無料一括プラン請求なら、「HOME4U土地活用」にお任せください。
電話でもプラン請求をお受けします。「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、お電話ください。