大規模施設経営の費用
大規模施設経営の初期費用
大規模施設経営に必要な初期費用は、主に以下の5つです。
規模や設備によって異なりますが、数億~数十億円程度かかると考えておくとよいでしょう。
- 建築費
- 大規模施設を建てるためにかかる費用です。建物の構造や設備などによって異なりますが、一般的には坪単価で90万円~120万円程度が相場で、坪単価相場に延床面積をかけると建築費用を概算できます。
建築費はローンで調達するのが一般的です。頭金として融資総額の20%程度を自己資金として用意します。
- 登記費用
- 建物の所有権や抵当権などを法務局で登記するために必要な費用で、登録免許税と司法書士報酬からなります。
- 管理費(リーシング委託)
- 大規模施設経営の場合、管理はリーシングを行う会社に委託するのが一般的です。
管理委託料は月額で賃料設定の5%程度を見ておくとよいでしょう。
- ローン関連費用
- 金融機関から融資を受けるためには、ローンの事務手数料、保証会社の手数料と保証料、団体信用生命保険料などがかかります。
金融機関によって異なりますが、一般的には融資額の2~3%程度です。
以上が、大規模施設経営の初期費用とローンについての説明です。大規模施設経営を始める前に、これらの費用を把握し、事業計画を立てることが重要です。
また、複数のハウスメーカーや建築会社から見積もりやプランを取り寄せて、比較検討することもおすすめです。
大規模施設経営のデメリット・リスク
大規模施設経営のデメリット・リスクは次の4つです。
- 撤退リスク
- 大規模施設の場合、企業相手に賃貸業をすることも多く、景気の影響をもろに受けるリスクが高くなります。
入居テナントの業績が悪化するとたちまち撤退、ということもあり、次のテナントを探す間もないこともあるほどです。
- 金利変動リスク
- 大規模施設経営に必要な資金を借り入れる際に、金利が上昇することで返済負担が増えることです。特に大規模施設経営では借入金が高額になることも多く、このリスクは経営に大きく影響します。
金利変動リスクを回避するためには、固定金利のローンを選ぶか、変動金利のローンでも金利上限付きのものを選ぶことが望ましいです。
- 災害リスク
- 地震や火災などの自然災害や人災により、物件が損傷したり、入居者が退去したりすることです。
災害リスクを回避するためには、物件の耐震性や防火性を確保することや、適切な保険に加入することが必要です。
- 入居法人選定の難しさ
- 老人ホームなどの入居を想定した大規模施設経営の場合、入居事業者の選定は非常に重要です。実績がある事業者を自力で探すのは難しい部分もあるため、土地活用会社や建築会社に相談することをおすすめします。
大規模施設経営のリスクとデメリットは独特で、かつ多岐にわたり、「すべてをクリアするのは大変」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
リスクがもたらす経営への影響は大きく、どんなリスクがあるのかを正しく把握することは非常に重要です。
これらを把握し、回避策を講じることによってリスクを最小限に抑えることは可能です。そのためには、大規模施設経営に精通した良心的な企業を経営のパートナーとして選び、そのノウハウを利用することが欠かせません。
とはいえ、信頼できる企業というのはすぐに判断するのは難しく、また、1社ずつ連絡を取って相談してみるのも手間がかかります。
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